早稲田大学の文化構想学部の日本史は少し特徴的です。
裏を返せば、その特徴をつかめば効率的に対策できるということ。
本記事では、日本史の傾向をもとに対策方法をまとめました。
何から勉強をすればいいか悩む受験生は、本記事を参考にしてみてください。

文化構想学部 日本史の傾向とは

私大トップの早稲田大学の中でも、文化構想学部は倍率の高い人気学部です。
本記事を見ている人は、文化構想学部を日本史で受験することを考えているのでしょう。
合格勝ち取るには、戦略を練ることが必須です。
まずは文化構想学部の日本史の傾向を見ていきましょう。
別の記事で詳しくまとめていますので、ここでは傾向をピックアップしてまとめます。
主な傾向は大きく分けて3つです。
1つめは、「テーマ史」で出題されること。
テーマ史とは、ある特定のテーマに絞った歴史の見方のことです。
学校の定期試験や模擬試験などでは、時代ごとに問題を出題されることが多いでしょう。
しかし、文化構想学部の日本史では、大問ごとにテーマが設定され、時代をまたいだ幅広い問題が出題されます。

2つめは、教科書を理解すれば十分対応できるレベルということです。
まれに「文化構想学部の日本史は難しい」という声を聞くことがありますが、そこには少しからくりがあります。
たとえば、1つめの特徴で挙げた「テーマ史」の対策をしていなかった場合、独特な問題に困惑する受験生もいるかもしれません。
ほかにも、問われる用語が一般的な模擬試験では出題されないマニアックなものも含まれていることが影響しているでしょう。
しかし、その用語も教科書の注釈まで読み込めば記載してあるものがほとんどです。

3つめは、論述問題が出題されないことです。
文化構想学部の日本史は、選択式問題が6割、記述式問題が4割ほどの構成で作られています。
記述式問題は用語を問われるものばかりなので、しっかりと暗記ができていれば解くことができます。
論述問題は対策が難しい分、そこに時間をかける必要がないことに救われる受験生も多いでしょう。
以上の傾向を踏まえて、合格対策のポイントを見ていきましょう。

■合格対策ポイント① 通史の勉強を徹底する

傾向の1つめでお伝えした通り、文化構想学部の日本史は「テーマ史」で出題されるため、時代をまたいで幅広く問われる傾向があります。
そのため、苦手な時代を残してしまうと大問ごとの点数を伸ばすことができず、結果として合計点が低くなってしまうのです。
用語の暗記や頻出問題をたくさん解くなど、日本史の勉強方法は様々ありますが、文化構想学部の日本史の場合は通史の勉強に力を入れてください。
その際、初めは「なんとなく理解できたけど用語は覚えていない」の状態で一周終えても問題ありません。
何周も繰り返し勉強して、時代の流れをつかむことがテーマ史問題対策の鉄則です。
通史の勉強自体は、他大学・他学部の日本史試験対策においても無駄になることはありません。
これから勉強を始める受験生は、まず通史から手を付けましょう。

■合格対策ポイント② 教科書を読み込む

通史の勉強のポイントに繋がりますが、まずは教科書を何周も読み込むことから始めましょう。
その理由は傾向分析でお伝えしたように、出題問題は教科書レベルだからです。
とくに、教科書は通史の勉強に最適です。情報量が多すぎず、重要なポイントを絞って正確にまとめられているため、時代の流れをさっと理解するにもってこいなのです。
受験勉強をこれから始める学生の中には、オススメの参考書を検索して新しく調達する人も少なくないでしょう。
もちろん良い参考書は書店にたくさんありますが、勉強のスタートはまず教科書から始めることをオススメします。
教科書は「説明がさっぱりしすぎてわかりにくい」というイメージを持っている人もいるでしょう。
その場合は、理解できなかったことをピックアップして参考書などで調べてみましょう。
自ら調べて理解できると、それは自分の知識として定着し、驚くほど忘れなくなります。

■合格対策ポイント③ 漢字で書けるか確認

次のポイントは通史の勉強が一通り済んだ後の話です。
文化構想学部の日本史は用語を問う記述式問題が出題されます。
この問題のポイントは、漢字で問われることです。
つまり、答えはわかっているのに漢字が書けないと丸がもらえません。
これで悔しい思いをした受験生は少なくないでしょう。
みなさんも、「言葉はわかるのに漢字が書けない」となった場面は試験に限らず経験があると思います。
そのような悲しい結末にならないために、用語は一通り漢字で書けるかどうか適宜確認をするようにしましょう。
少し意識しておくだけで、他の受験生と大きな差をつけることになるかもしれません。

■合格対策ポイント④ 頻出のテーマに絞って勉強する

次はいよいよ戦略的な対策ポイントです。
文化構想学部の日本史の最大の特徴は「テーマ史」で出題されることですが、どのテーマが出るかわからないと対策ができないと悩む人もいるでしょう。
じつは、過去のデータから頻出のテーマがわかっています。
それは、「政治史」「経済史」「文化史」の3つです。
とくに例年、出題問題の半分以上が政治史となっているのです。次いで多いのが経済史でした。
政治と経済は日本史の勉強に欠かせないテーマです。
通史を勉強するだけでもある程度の知識は身に付きますが、勉強を始める段階である程度意識を向けておくと良いでしょう。
また、文化構想学部の学部特性を意識して、文化をテーマにした問題の出題が続いている傾向があります。
学部特性に沿った問題が出題されるのは他大学・他学部でも珍しいことではありません。
追い込みの時期になったらしっかりとテーマごとに対策をしていきましょう。

■合格対策ポイント⑤ 過去問10年分+併願先もしっかり解く

最後のポイントは当然ですが、過去問を解くことです。
過去の合格者の声からは、9~10月に過去問を解き始めた人が多いようです。
具体的な量は、文化構想学部の過去問を10年分に加え、併願する学部や他大学の過去問も最低5年分解きましょう。
文化構想学部の受験者で併願が多いのは文学部と教育学部でしょう。
テーマ史という特長的な問題傾向ではありますが、他学部で出題される頻出用語や問題がまったく問われないわけではありません。
ほかの受験生が解ける問題は確実に正解するために、他学部の問題にも対応できるよう知識をつけていくと合格をつかむことができるでしょう。
また、立教大学の日本史もテーマ史で出題される問題があるようです。
滑り止めとしてMarchを受験する人も多いと思います。
偏差値に差があったとしても、他大学の試験問題も侮ることはできません。
同じ傾向の過去問を解いておくだけでも経験値が非常に上がりますので、早稲田大学以外の過去問にも手を付けてみましょう。

文化構想学部の日本史は特徴的なので対策しやすい

いかがでしたでしょうか。
本記事では文化構想学部の日本史の対策方法をまとめましたが、傾向が特徴的なので戦略が立てやすいと感じたのではないでしょうか。
とくに、通史が重要になること、特定のテーマに絞って出題されることから、いかに広く理解できているかを確認する試験だと言えそうです。
そのような知識豊富な学生が求められていることを念頭において、限られた時間で戦略的に勉強を進めていきましょう。
本記事が少しでも受験生の力になればうれしいです。